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太陽電池とMPPT(7)/NT京都2012解説

NT京都で展示する予定のMPPT装置の解説と、頒布予定の基板のフォローページとする予定。
なるべく早くに情報集約したいけれど、4月半ば以降になってしまうかも…

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これは何か
 電圧追従方式を使った簡易MPPT制御を行う装置です。

必要なもの
 PIC(12F683)の開発環境が必要となります。
 コンパイラはメーカ提供のHITECH PICC Liteを使用しますが、作成したプログラムをPICに書き込む装置が必要になります。
 詳細は「すべて無料のPIC最強開発環境」等のサイトを参照してください。

 動作確認のため、テスタ(電圧・電流測定可能なもの)が必要となります。可能であれば周波数(Hz)とDuty(%)が測定できると、動作確認が簡単になります。
 波形が観測できるオシロスコープがあるとさらに便利です。秋月電子で販売されているLCDオシロスコープキット(4000円)程度のものでも、動作確認には充分です。

 主要部品の他に、動作確認信号の表示のため、LED+電流制限抵抗が2組あるとよいです。(後述)

基板に関する注意点
 基板のドリル穴が小さいため、部品によっては穴にリードが入らない事があります。
 抵抗は1/4Wだとリードが入らないものがあるようです(共立エレショップの通販で入手したものは大丈夫でした)。1/8W品を使用するのが確実です。
 ダイオードも1A以上の耐圧のものはリードに入らないと思われます。表面実装するなど工夫してください。
 入出力コネクタ(CN1,2)もそのままではコネクタの実装は困難です。無理に実装するとスルーホールを破損することがあります。CN1は半田面で回路が繋がっているのでスルーホールを破損しても配線に問題はありませんが、CN2は部品面で配線されているので、スルーホールを破損させると断線してしまいます。その場合はC6との配線をジャンパで代替することで対処してください。

……たぶん続く。
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10W太陽電池を使ってみた(1) とりあえずの稼動まで

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なんかお手ごろな太陽電池が無いかなー、とあれこれ探していたのだが、ヤフオクで中古再生品らしいパネルを販売している業者が複数(?)いるのを発見。ぽちっとなしてみた。
購入したのは10Wのパネル。大きさはB4より少し小さいくらい。定格17.0V 0.59A。

これなら電流は1A以下に収まるので、あれこれコントローラを自作して実験するには丁度いい。大きさも片手でひょいと持てる程度なので、晴れたら出勤前に外に出して、夜や天気が悪いときにはしまいこむといういい加減な運用に向いている。
パネル自身は防水だが、配線の端子まわりの防水は自前で行わねばならないので、全天候運用はちょいと後回し。

鉛電池はマルツのジャンクコーナーで見つけてきた。
おそらく企業とかのUPSの交換品な雰囲気。実験にはこれで充分。
で、あとはダイオードはさめば充電は可能なのだが、充放電制御をしてやらないと、過充電過放電で鉛電池はあっという間に死んでしまう。そのあたりはPICでの作例があちこちにあるので、参考にして自作かなーと思っていたのだが、忙しくて手が回らずにいるうちに夏終了。orz

で、結局は大須で見つけた1500円という格安の充電制御装置を購入。秋月で扱っているこれと同じもの。放電はとりあえずテスター横に置いておけばいいや、という事でw。
さくっと配線して使ってみると、いい具合に充電してくれる。というよりこの電池に10Wの太陽電池はオーバースペックな気もするな。コントローラを自作するときは、複数の電池を扱える構成にしようと思う。(市販品との差別化w)
とりあえずまとめて100円ショップで調達したかごに放り込んで完成w

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充電した電力の利用は、秋月で購入したDC-DCコンバータのストックを引っ張り出して、USB端子に5Vを出力するコンバータを作成した。iPhoneの充電にはケーブルの相性だとかD+-端子の処理だとかあれこれあったのだが、とりあえずUSB端子から充電できる機器の充電は、このシステムで充分間に合っている。
というか手のひらサイズのリチウムバッテリーとか、エネループから昇圧とかのUSB電源とはパワーが違いますぜ。なんせコンバータの電源入れる(配線繋ぐ)時に火花散るからな!(ダメじゃん

次の目標は放電コントローラ。これはWebとかエレキジャックに作例があるので情報は豊富。ただ、充電コントローラとかMPPT制御とか、将来のバージョンアップを見越して余裕のある設計にしなければとは思う。まあI/Oの数に余裕のある石を選定するだけだけど。

その前に電源スイッチとヒューズの取り付けかな。配線短絡させると火花が半端じゃないぜ!(すげい怖かったw

theme : こんなの作りました♪
genre : 趣味・実用

tag : 太陽電池電源

太陽電池とMPPT(6)

「照り返しの太陽光で発電ってできるのかな?」という疑問を受けたので実験してみた。
測定はMPPTで充電中の太陽電池の出力。


 V
 A
 W
 直射 4.45V 29.6mA 131.72mW
 コート紙 4.00V 12.8mA 51.2mW
 コンクリ 3.48V 5mA 17.4mW

コート紙での測定はこんな感じ。コンクリはこの写真の背景のものを使用した。
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一次側に居る電解コンデンサには測定前の電荷が残っているけど、電流見てるところには影響しないと思う。電圧はちょっと怪しいかも。
正直なところ、コート紙でこれだけの出力が得られたのはちょっと意外だった。これなら衛星軌道上でも雲の照り返しで発電できるんじゃないかなー

太陽電池雑感

MPPT回路は、満充電検出が瞬時検出だったのを、満充電電圧を1分間以上維持したら充電完了とソフト修正して稼働中。
まあそれはそれとして。

太陽電池を同型を2枚で運用しているのだが、どうも2枚の出力が違う気がする。
計測してみると、片方は電圧が出るけど電流が出ず、もう片方は電流は出るけど電圧が出ず。なんだこれは。
片方はセルか配線の一部が死んでいるような出力。一度バラして調べてみないといかんかも。
この太陽電池は出力が可変できて使いまわしが効くのと、秋月だと1000円というお手軽価格なのでけっこう手を出しやすいと思うのだが、ネット上で使われている事例を見ると芳しくない評判が多い。
それでも模型用の太陽電池だと電圧の低いものが多いので、3~12V出力できるこの太陽電池は、充電の実験用にはそれなりに使えるとは思っている。まあ品質は値段相応ということで。

そんなわけで、まずはここらで一区切りして、今後の方針を考えたい。

まずは大原則。
「電力会社には勝てない」
電力線に接続される家庭用太陽電池発電システムにしても、コストで言ったら補助金やら優遇買い上げ制度やらの優遇政策があるので採算ラインなわけで、ガチで戦ったら電力会社の大規模発電のコストに敵うわけは無い。コンセントの無い場所での運用とか、違った付加価値がないと戦うだけ無駄。(スマートグリッドと合わせた分散発電システムとして考えたりするとまた違ったメリットがあるのだが、それは私の手に余る)
基本的に自宅で運用するので、「電気代が浮く」とか「エコ」とかは考えない。単にいじくりまわしておもしろいからやってみるというスタンスは崩さない。つまり採算度外視どんと来いだw。

そんなわけで、
1. 現在のシステムの発展型
 現在のシステムは直射日光下でしか運用できない。曇ろうが雨が降ろうが、かすかでも出力があればそれをかきあつめるシステムを考える。

2. もうちょっと実用になるシステム
 よく考えたら、私は電池を定期的に使うような用途が無い。(ぉぃ)
 ただでさえ掃除中に発掘したアルカリ電池が山になってるのに。
 ということで色々使いまわしの効きそうな独立系12Vのシステムを考える。これなら車載用インバータで100Vも出力できる。
 とりあえず始めは20Wくらいのシステムを目指す。

まあ道楽と多少の実用性の二本立てという感じ。
そうは言っても太陽電池以外のアイテムが積みっぱなしなので、しばらくは実際に手を動かすことは無いような気もするんだけど。
まあ長い目でやっていくことに。

tag : 太陽電池

太陽電池とMPPT(5)

さて、そんなわけで一週間かかってようやく満充電検出LEDの点灯を拝むことができた。赤LEDが満充電検出。写真では判りにくいが、基盤と電池BOXは透明アクリルのベースに固定している。端子台の配線は……このまま放置しそうだなあ。

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実際のところは3日目くらいで満充電になっていたような気がする。
満充電→日没で自然放電→帰宅して電圧チェック。おかしいなあ、昨日から充電されてない気がするなあ。雲かかってたのかしらん?
というw。
満充電検出電圧が設計値よりも微妙に下だったのが、この勘違い(というか薄々感づいてはいたが)を加速させたのだと思う。

それはそれとして、いまさらながらエレキジャックの太陽電池の特集号を入手。
MPPTについては、トラ技のバックナンバーが定番の教科書のようだが、ひょいと入手できるわけでもないので、ソース読めばいいか、と思っていた。(たしかコピーサービスがあったと思うけど)
エレキジャックのこの号にはマイコンを使わないMPPTが掲載されている。出力可変のDC/DCコンバータの制御入力をトランジスタで引っ張るだけ。
開放電圧を測定して出力を決めるわけではないので、定格出力の時点で調整したら、あとは線形に動作点を操作することになると思うのだけど、たしかにこれでも大丈夫だよなあ。

tag : MPPT太陽電池電源